鍼灸師になりたい!おすすめの勉強法は?
鍼灸師になるためには専門の学校を卒業し、かつ国家試験に合格しなければなりません。しかし、「鍼灸師」という資格があるわけではなく、具体的な試験内容についてはあまり知られていないのではないでしょうか。また、試験に合格するためにはたくさんの知識を覚えることが必要です。そこで、ここでは鍼灸師を目指す人のために、国家試験の試験情報やおすすめの勉強法を解説します。
☆鍼灸師には国家試験がある
鍼灸師は国家資格が必要な専門職です。国家試験には、はり師ときゅう師の2種類があり、鍼灸師になるためには、その両方に合格することが必要です。試験は年に1回で、2月末に行われます。はり師・きゅう師の試験は同時に行われますが、どちらかのみを受験することも可能です。
はり師の試験には鍼理論が、きゅう師の試験には灸理論が試験科目に含まれており、それ以外は共通科目になっています。共通科目の試験範囲は、医療概論やリハビリテーション医学、解剖学など、医療に関する幅広い知識が問われる内容です。はり師ときゅう師を同時に受験する場合は、申請を行うことで片方の共通科目を免除することもできます。
また、試験形式はマークシートによる選択式で、実技試験はありません。試験は1日かけて行われ、試験時間は9時~11時、13時10分~15時10分です。片方のみの受験の場合は、共通科目のほか、鍼理論か灸理論のどちらかのみの解答となるため、その分試験時間が少し短くなり、14時55分に終了となります。視覚障害者の場合は拡大文字、超拡大文字または点字のいずれかによる受験が認められており、試験時間や試験会場も異なります。
☆鍼灸師の試験は難しい?
鍼灸師の国家試験は、これまであまり難しいものではないといわれてきました。過去の合格率を見ると、2016年ははり師が73.4%、きゅう師が75.0%と、ともに70%以上の人が合格しています。しかしながら、その合格率は徐々に減少してきています。2017年には、はり師が67.0%、きゅう師が67.7%と、それぞれの合格率が70%を下回り、直近の2018年の試験では、はり師が57.7%、きゅう師が62.5%と、過去最低の合格率となってしまいました。
このように合格率が下がっている原因としては、試験問題自体が難化していることが挙げられます。鍼灸師の数が増え、レベルを引き上げるためにこのような対策がとられている可能性があります。今後もさらに問題が難化する可能性があるため、過去問題を利用するときには注意しましょう。問題は難しくなっていますが、それでも受験者の半分以上が合格しているので、他の国家試験に比べるとそこまで難しい試験というわけではありません。しかし、当然ながら簡単に受かるような試験ではないので、きちんと対策をして受験するのが望ましいでしょう。
☆まずは学校の勉強を頑張ろう
国家試験の受験資格を満たすには、はり師・きゅう師の養成課程のある学校で学ぶ必要があります。国家試験に合格するためにも、まずは学校の勉強を頑張ることを心がけましょう。学校で習う科目の中には、国家試験に直結するものも多くあります。そのため、授業中の居眠りなどは厳禁です。黒板やホワイトボードに書かれた内容だけではなく、先生が話している内容にも注意を向け、できる限りたくさんノートをとるようにしましょう。
また、毎日の予習・復習時間を確保することも大切です。1度授業内容についていけなくなると、追いつくのが大変になります。そうなることを防ぐために、毎日少しずつ授業内容を整理しましょう。さらに、次の日の予習も行うことで、授業への理解をより深めることができます。その中で、もしわからないことがあったら、先生などに積極的に質問して早めに解決するようにし、疑問のまま放置しないようにしましょう。
☆要領よく覚えよう!勉強法にはコツがある
専門学校や国家試験の勉強は、高校の勉強とは異なる点がいくつもあります。そのため、高校の勉強のときと同じような勉強法では対応できない可能性が高いです。勉強する範囲も広く、覚えるべき内容も多いため、今まで一夜漬けや丸暗記で乗り越えてきた人にとってはかなり負担が大きいように感じるでしょう。たくさんの知識を要領よく学習できるように、国家試験に向けて自分に合った勉強法を見つけていくことが大切です。しばらく勉強してもなかなか思うような結果が出ない人は、勉強法を見直す必要があるかもしれません。
最初のうちは、さまざまな方法を試しながら結果が出るのを待ちましょう。順調に勉強がはかどるようになったら、その勉強法が自分に合っている証拠です。時には同じ目標に向かって頑張っている周囲の人に、効率的な勉強法について尋ねてみても良いでしょう。自分では思いつかなかった新しい方法を知ることができるかもしれません。良さそうだと思った勉強法はどんどん試し、自分に合ったものを見つけてください。
☆1.効率的な暗記方法を考える
国家試験に合格するには、とにかく必要な知識を確実に覚えることが大切です。ある程度の暗記は必要になりますが、最初から最後まで丸暗記できる量ではありません。効率的に覚える方法を考えましょう。
まず、暗記するためには意味のつながりやグループを意識することが大切です。最初は、ひとつひとつを丸暗記したとしても、知識が増えるにつれて情報がつながり自然に「理解して覚える」ことが期待できます。ある学習内容を思い出したとき、それに関連してさまざまな情報を思い出せるようになるため、多くの量を暗記することが可能です。詳しい内容まで覚えることができるため、試験のときにも役に立つでしょう。
また、暗記の方法には「書いて覚える」「音読する」「イラストを描く」といった方法があります。単にノートやテキストを眺めるだけではなく、手を動かしたり声に出したりするよう心がけましょう。さらに、勉強内容の中には解剖学など、イラストを描くことでわかりやすくなるものもあります。ひとつの方法に限らず、さまざまな方法を組み合わせることでより覚えやすくなるでしょう。
☆2.問題集を何度も解く
実際に試験を突破するためには、ただ知識を覚えるだけではなく、問題の形式に慣れておくことが必要です。そのため、国家試験の過去問などは何度も繰り返して解くべきでしょう。時間をはかりながら問題を解いたり、問われやすい問題の傾向を知ったりすることで、実践的な試験対策になります。過去問を解きながら自分の中で時間配分を決めれば、試験本番でも安心して問題を解くことができるでしょう。
また、試験対策以外にも過去問を解くとさまざまなメリットが得られるのです。まず、知識のアウトプットを行うことで、勉強した内容を本当に覚えているかどうかを確認できます。普段から暗記ばかり気にしていると、なかなかその正確さを確認するのを怠ってしまいがちです。定期的に問題を解けば、覚えられていなかった点を見つけられます。それを繰り返すうちに、自分の苦手分野も確認できるでしょう。苦手分野を意識することで、集中的に勉強するポイントも見つかります。結果として、記憶の定着率アップにも効果が出るのです。
☆3.すきま時間をうまく使う
勉強時間がなかなか確保できない人は、すきま時間をうまく使うのがおすすめです。本格的に問題集に取り組むためには、まとまった時間を確保する必要があるので、すきま時間では主に知識の定着を目指しましょう。具体的には、家から学校までの移動時間、電車やバスの中で授業の予習・復習をしてみてください。通学途中であれば、授業に必要な勉強道具がそろっているので勉強しやすいはずです。また、スマホのアプリを使えば、場所を問わず、そして勉強道具を持っていない場合であっても、すきま時間に効率的に勉強できます。あらかじめ過去問アプリを入れておいてそれを解いてみたり、自分で単語帳を作れるアプリを使って暗記をしたりと、さまざまな使い方ができるでしょう。
電車やバスの待ち時間、お風呂の中など、勉強に使えるすきま時間は意外と多いものです。1回はわずかな時間であったとしても、「ちりも積もれば山となる」ということわざの通り、積み重ねていけば結果として多くの時間になっていることでしょう。試験は年に1回しかないので、これらの時間を有効活用し、確実に合格できるようにしたいものです。
☆試験への努力が今後につながる
鍼灸師は一生勉強が必要な仕事です。国家試験に合格したあとも、仕事の中で日々勉強するという姿勢を持ち続けなければなりません。その姿勢作りのためにも、まずはしっかりと学校の勉強や試験対策を頑張りましょう。勉強ばかりしていると、時にはつらいと思うこともあるでしょうが、それも国家試験に合格するまでの辛抱です。そのあとには鍼灸師として活躍する日々が待っています。今は試験に向けてしっかり勉強し、夢を叶えましょう。
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