マッサージ師（あん摩マッサージ指圧師）の平均年収と収入アップ方法

マッサージ師は、正式名称をあん摩マッサージ指圧師と言い、国家資格が必要となる職業です。厚生労働省によると、あん摩マッサージ指圧師が含まれる「その他の保健医療従事者」の平均年収は約423万円となっています。

この記事では、あん摩マッサージ指圧師の仕事内容に加え、性別・都道府県・年齢による平均年収の違いなどを詳しく解説します。年収アップを実現するための方法にも触れるため、あん摩マッサージ指圧師を目指す方は、ぜひご一読ください。

マッサージ師とは、身体の「こり」「痛み」などの不調がある人に対して、指圧やマッサージを行い、症状を緩和する職業のことです。正式名称は、「あん摩マッサージ指圧師」と言います。来院したお客様の身体の状態に合わせて、身体にあるツボを刺激しながら、症状の改善に努めるのが主な仕事内容です。

あん摩マッサージ指圧師の主な勤務先には、治療院や病院の他に、デイサービスなどの福祉施設があります。

あん摩マッサージ指圧師として活躍するためには、国家資格が必要となります。高校卒業後に厚生労働省、または文部科学省に認められた専門学校や養成校で学び、国家試験に合格すると国家資格が取得可能です。国家試験の受験には年齢制限がないため、社会人経験者や定年退職者などが試験を受け、あん摩マッサージ指圧師になるケースもあります。

この記事では、あん摩マッサージ指圧師の年収や、年収アップの方法を中心に解説します。

マッサージ師に向いている人の特徴は？仕事内容やなり方も解説

この記事では、マッサージ師についての基本情報を踏まえ、マッサージ師に向いている人・向いていない人の特徴を詳しく紹介します。マッサージ師になる方法にも触れるため、マッサージ師の仕事に関心を持つ方は、ぜひ参考にしてください。

厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、あん摩マッサージ指圧師が含まれる「その他の保健医療従事者」の平均賃金は、年収約423万円、月収約30万円です。

出典：厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」

平均年収は約423万円ですが、独立・開業している場合はさらに年収が高くなります。中には年収600万を越える場合もおり、性別・地域・年齢によっても年収が異なる傾向です。

以下では、あん摩マッサージ指圧師が含まれる「その他の保健医療従事者」の性別・都道府県別・年齢別の平均年収の違いについて紹介します。

男女別の平均年収は下記の通りです。

出典：厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」

男女別の平均年収は、女性よりも男性のほうがやや高いことが分かります。

なお、国税庁の調査によると、日本の平均年収は、男性で約545万円、女性で約302万円となっています。

出典：国税庁「令和３年分　民間給与実態統計調査」

あん摩マッサージ指圧師の年収は、都道府県別にも違いがあります。都道府県別の年収は下記の通りです。

出典：厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」

都道府県別のあん摩マッサージ指圧師の平均年収は、愛媛県の558万円が1番高い結果となっています。一方で、都道府県別で平均年収が1番低い地域は、佐賀県の315万円と、地域によって大きな開きがあります。

一般的には、都市部のほうが平均収入が高い傾向がありますが、あん摩マッサージ指圧師は、都市部のほうが収入が高いわけではありません。あん摩マッサージ指圧師として働く際には、勤務先によって大きく年収が変わることを理解し、近隣エリアの相場を押さえておくとよいでしょう。

年齢別の平均年収の違いは以下の通りです。

出典：厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」

平均年収が1番低い年代は、19歳までの215万円です。年代が上がるごとに平均年収は徐々に上がり、55～59歳がピークとなります。その後、60歳以降は年齢が上がるごとに平均年収は下がります。

その理由としては、19歳までは技術力や経験不足、60歳からは体力面の問題によって、施術数が少なくなることが平均年収に影響していると考えられるでしょう。

一方で、20～50歳まで平均年収が上がっている理由については、「施術の技術力が上がること」「勤続年数によって賃金が上がること」が考えられます。また、20～50代に独立・開業する方もいることが、平均年収が高くなっている理由の1つでしょう。

あん摩マッサージ指圧師の平均月収は約30万円ですが、求人賃金の平均は約26万円となっています。

出典：厚生労働省「あんまマッサージ指圧師」

あん摩マッサージ指圧師は、スキルアップを経て転職・独立・開業をしないままであれば、年収を上げるのが難しい職業と言われています。

ここでは、あん摩マッサージ指圧師が年収を上げるためのポイントを確認しましょう。

あん摩マッサージ指圧師として年収を上げるには、まずは経験を積んで技術を磨くことが大切です。技術が上がり指名数が増えれば、リピーターの増加につながります。施術数が増えることで、歩合制の場合などは収入アップに直結するでしょう。

また、あん摩マッサージ指圧師の資格だけでなく、アロマセラピストの資格など、関連資格を取得すると、活躍の場が広がり年収アップにつながります。資格を保有していると、資格手当の支給も期待できるでしょう。

さまざまな資格を取得することで、職場の選択肢も広がり、給与条件のよい職場を選ぶことが可能です。

賃金の高い施設に転職するのも年収アップの手段の１つです。例えば、整骨院などでアルバイトとして勤務するよりも、有料老人ホームで正社員として勤務すると、年収が上がる傾向にあります。

また、正社員で勤務するとボーナスが支給される職場も少なくありません。ボーナス分の賃金によって、年収を上げることが可能です。求人サイトなどで確認して、賃金のよい職場を探してみましょう。

なお、自身がどのようなあん摩マッサージ指圧師になりたいか、どのようなキャリアを望むか考えた上で、転職先を判断することも重要です。

大幅な年収アップを目指したい場合は、独立開業がおすすめです。お客様が多く来店するお店になれば、勤務するよりも年収アップが見込めます。1店舗だけでなく、2店舗、3店舗とお店の数を増やすことができれば、それだけ収入が増えることが期待できるでしょう。

また、年齢を重ねて体力が低下した際にも、経営者として成功していれば、安定した収入を得ることが可能です。

自分の技術に自信がある人や、向上心・チャレンジ精神がある人は、独立・開業を検討しましょう。

マッサージ店を独立開業する方法は？開業成功のための注意点も解説

当記事では、マッサージ市場の現状から、独立開業に必要な国家資格、独立開業のステップ、開業を成功させるためのポイントまで徹底解説しています。マッサージ店の独立開業を少しでも検討している方は、ぜひ参考にしてください。

あん摩マッサージ指圧師の年収は、性別・都道府県・年齢などによって異なります。エリアに関しては、都市部で年収が高いとは限らないことを踏まえ、働きたいエリア近辺の相場を確認するとよいでしょう。また、あん摩マッサージ指圧師の年収は経験年数・スキル・働き方によっても差が出やすいと言われています。

年収アップを目指したい方は、資格取得やスキルアップを積極的に行うほか、待遇のよい職場への転職や独立・開業を視野に入れるとよいでしょう。その際、年収だけでなく、希望する働き方やキャリアビジョンも考慮することが大切です。