鍼灸師の仕事はしんどい?大変と言われる理由や解決策も紹介
鍼灸師を目指す人の中には、仕事のしんどさを耳にして不安に感じる人もいるのではないでしょうか。鍼灸師の仕事がしんどいと言われる理由は、スキルやコミュニケーションに関することなど複数あります。
今回は、鍼灸師がしんどいと言われる理由を詳しく解説します。しんどいと感じることは人によって異なるため、自分がストレスを感じやすいことと照らし合わせながら、無理なく働けるか考えましょう。しんどさを解決する方法も把握し、ぜひ前向きな気持ちで鍼灸師を目指してください。
1.鍼灸師の仕事はしんどい?
鍼灸師とは、国家資格のはり師・きゅう師資格を有し、東洋医学の専門知識をもとにお客様の悩みの解消をサポートする職業です。鍼灸師は鍼をツボに刺して刺激を与える「鍼療法」や、薬草から作られる「もぐさ」で経穴を刺激する「灸療法」などの施術を行い、お客様のサポートにあたります。スポーツ施設・美容鍼灸サロン・介護施設などで、お客様の身体のメンテナンスを担当することも鍼灸師の仕事です。
健康に関心を持つ人が多い時代において鍼灸師は需要の高い職業であるものの、就職して間もない時には、しんどさを感じる可能性が否めません。また、職場環境や待遇によっては、キャリアを重ねた段階の人も「鍼灸師はしんどい」と感じる可能性があります。
2.鍼灸師の仕事がしんどいと言われる理由
鍼灸師はさまざまなお客様の悩みを聞き、施術を通じて支援できる魅力的な仕事です。しかし、鍼灸師の仕事には特有の大変さが伴うことから、ふとした時に「しんどい」と感じてしまう可能性があります。
鍼灸師の仕事が「しんどい」「大変」と言われる主な理由は、以下4つです。
2-1.働き始めのプレッシャーが大きい
鍼灸院や鍼灸整骨院は、基本的に心身の不調や悩みを抱えるお客様が利用します。しかし、鍼灸師の施術によって、すぐによい変化が見られるケースばかりではありません。鍼灸師として働き始めて間もない時には、お客様の期待がプレッシャーとなり、「しんどい」と感じることもあるでしょう。
また、鍼灸師はお客様の身体に鍼を刺す・灸を据えるなどの施術を担当します。仕事内容に慣れない間は「誤った場所に施術してはいけない」と強く感じ、気疲れする可能性が否めません。
ただし、施術に対するプレッシャーは、経験を積むことで克服できる可能性が高いと言えます。仕事に慣れないタイミングでは緊張感を持って施術にあたることがミスを防止するコツとも言えるため、ある程度のプレッシャーは必要でしょう。
2-2.施術以外の仕事も多い
鍼灸師は資格取得後すぐに独立開業するのではなく、鍼灸院などに就職して先輩の手技を見て学び、実務スキルを磨くことが一般的です。鍼灸院などでは受付・会計業務や事務仕事を指示されることも多く、施術になかなか関われない現実に直面した時にしんどさを感じる人もいます。
その分、十分な施術力を身に付けて独立開業した後は、自分の理想に沿った経営を行うことが可能です。経営を軌道に乗せれば、施術以外の仕事を他のスタッフに任せることもできます。
2-3.研修会・勉強会などが多い
鍼灸師は専門学校を卒業し、現場に出れば活躍できる職業とは言えません。鍼灸師として活躍するためには研修会や勉強会に参加し、知識や技術を磨く努力が必要です。研修会や勉強会で習得する知識が自分自身のスキルアップにつながることを理解していても、多忙な時期に予定が入ると、体力的な負担を感じるケースがあります。
2-4.技術だけでなくコミュニケーション能力も求められる
鍼灸師は施術前に丁寧なカウンセリングを行い、お客様が感じている悩みの詳細を把握します。悩みの原因を突き止めるためには、日常生活の様子や身体の状態など、プライベートに関わる情報を聞くことも必要です。お客様の中には鍼灸師に心を開かない人もおり、思うように情報収集が進まない時にはストレスを感じるでしょう。
また、鍼灸師の職場では時にあん摩マッサージ指圧師・柔道整復師などと連携し、お客様を支援する業務も発生します。専門性が異なる職業の人とチームワークを発揮してお客様に適切な施術を行うためには、コミュニケーション能力を積極的に身に付けることが大切です。
3.鍼灸師のしんどさを解決する方法
「鍼灸師の仕事がしんどい」「もう辞めたい」と感じる気持ちは一時的な感情であるケースが多く、安易に辞職・転職をしてしまうと後悔する可能性が高いと言えます。鍼灸師の仕事にしんどさを感じる時には以下の解決法を試し、前向きに働くためのモチベーションにつなげましょう。
3-1.慣れるまで根気よくスキルアップを目指す
コミュニケーション能力や施術のためのスキルを根気よく磨けば、仕事に慣れないことによるしんどさを解決できるケースがあります。しんどさをいち早く解決するためには、スキルアップ目的の副業に挑戦し、多くのお客様を担当する中で仕事に慣れる方法が一案です。
副業に挑戦する際は、本業に生かすために興味関心のある分野に応じたスキルを磨ける勤務先を探しましょう。以下は、鍼灸師の勤務先の主なジャンルです。
- 美容鍼灸(女性鍼灸)
- スポーツ鍼灸
- 小児はり
- 訪問鍼灸
訪問鍼灸とは、高齢者の自宅などを訪問し、身体の状態に応じた施術を行うサービスです。訪問鍼灸を実施する鍼灸院で副業すると、実践的な施術力・コミュニケーション能力の習得を図るとともに、高齢化社会において重宝される人材への成長が見込めます。
3-2.転職や独立を視野に入れる
職場環境に辛さを感じている場合は、自分自身の理想に近い職場への転職を検討することで、しんどさを解決できる可能性があります。希望通りの職場を探すためには、求人を見る際に以下の内容を確認しましょう。
- 雇用形態
- 給与水準
- 福利厚生制度
- 勤務時間
施術を担当する機会が少ないことに不満を感じる場合は、上記の他、研修制度や担当業務の詳細を面接で質問し、認識合わせを行うと安心です。
鍼灸師として一定の経験を重ねてきた人の場合は、独立開業すると理想の職場を自分で築けます。ただし、独立開業する際には、法的な手続きや経営戦略などに関する知識が必要です。スムーズな独立開業を目指すために、現在の職場で働いているうちから十分な情報収集と事前準備を行いましょう。
4.鍼灸師はしんどいだけじゃない!メリットややりがいも
鍼灸師として働く中ではしんどさを感じることがあるものの、喜びを実感する場面も多く、総合的には「やりがいのある仕事」と考えて生き生きと働く人が多く見られます。これから鍼灸師を目指す人は、以下のメリット・やりがいを理解して、自分に合う仕事であるかを検討しましょう。
・お客様から感謝される機会が多い
鍼灸師は、施術後に「痛みが改善された」「疲労感が和らいだ」など、感謝の言葉を掛けられる機会が多い職業です。お客様の悩みが解消されて笑顔を見せてくれた時には、「鍼灸師になって良かった」と感じるでしょう。
・幅広い世代の人たちを支援できる
鍼灸師は、子どもから高齢者まで幅広い世代の人たちの健康づくりを支援し、地域社会に貢献できる仕事です。もちろん、鍼灸師のキャリア志向によっては特定の年代に対する支援の専門家も目指せます。
・多様な働き方を選択しやすい
鍼灸師は手に職をつけられるため、育児や介護のために一旦離職したとしても、再就職がしやすい傾向にあります。また、アルバイト・パート・契約社員などの雇用形態も選択できることから、ワークライフバランスを重視して働くことも可能です。
鍼灸師は上記のようなメリット・やりがいがある魅力的な職業です。これから鍼灸師を目指す人はネガティブな面のみに目を向けず、自分自身の夢を大切にして前向きに行動しましょう。
まとめ
鍼灸師の仕事はしんどいと感じる面があるものの、さまざまなメリットややりがいも持ち合わせています。しんどいと感じる時はネガティブなことばかりを考えがちですが、しんどいことには必ず原因があり、スキルアップや環境を変えることで改善できる場合もあります。
また、鍼灸師の仕事がしんどいと感じるケースは人それぞれです。経験を積めば独立開業も目指せるので、鍼灸師に興味のある人は、鍼灸師としてのやりがいにも目を向けた上で前向きに検討してみてください。
関連記事Related Articles
スキルアップに最適!鍼灸師の勉強会に参加しよう
鍼灸師として活躍するためには、さらなるスキルアップが欠かせません。国家試験を通った後も、より一層治療家としてレベルアップしていこうと思うので...
鍼灸師についてどんな資格が必要?美容鍼灸師になる方法
鍼灸治療により、美容に関するさまざまな悩みを解決し、症状を改善させることを目指す美容鍼灸。美容意識の高まりにより、ますます注目されている分野...
鍼灸師について鍼灸師とは?鍼灸師の目指し方や仕事について
日々忙しく働く現代人にとって、毎日のデスクワークによる肩こりや眼精疲労といった身体の悩みは尽きないものです。また、マッサージやリラクゼーショ...
鍼灸師について鍼灸師資格はどうすれば取得できる?通信教育が可能かも解説
鍼灸師は医療分野にとどまらず、介護や美容など多様な分野での活躍が見込まれる職業です。一度鍼灸師として資格を取得すれば、さまざまな就職先で仕事...
鍼灸師について鍼灸師はアメリカでは高年収を得られる?鍼灸師になる方法も解説
日本の平均賃金は、アメリカやドイツなどの諸外国に比べて安いと言われており、より豊かな生活を送るためにも海外移住を選択する方が少なくありません...
鍼灸師についてスポーツ鍼灸の効果は?施術内容やスポーツ鍼灸師になる方法を解説
スポーツ鍼灸は、主にスポーツ選手のパフォーマンスを向上させるために行う鍼灸施術を指します。近年ではスポーツ人口も増加しており、スポーツ鍼灸師...
鍼灸師について学費はどのくらい?鍼灸師になるための学校
鍼灸師になるためには、まず国家資格を取得しなければなりません。鍼灸師の国家資格は「はり師」と「きゅう師」に分かれています。鍼灸師として活動し...
鍼灸師について鍼灸師は結婚できない?魅力と出会いがないときの対処法も解説
鍼灸師を目指そうと思っているものの、「鍼灸師は結婚できない」という話を聞き、不安に思っている方もいるでしょう。「鍼灸師は結婚できない」と言わ...
鍼灸師について