幅広い分野でニーズあり!女性鍼灸師の将来性

鍼灸師の道に将来性を見出して、養成学校に通い始める女性が増えています。鍼灸治療は鍼(はり)と灸(きゅう)を用いて体の痛みなどをやわらげるものですが、現在ではそのニーズが幅広いものになってきており、しわやたるみを緩和する美容鍼灸、加齢による関節の痛みや予防治療に対応する高齢者鍼灸、スポーツ選手のコンディションを整えるスポーツ鍼灸などその分野を広げています。求められる仕事が多岐にわたるようになり、その分だけ鍼灸師の需要も高まっているといえるでしょう。これから女性鍼灸師を目指す人の参考になるように、この仕事の将来性について詳しく解説していきます。

 

 

☆女性鍼灸師へのニーズは高い!

鍼灸院にはもともと女性患者が多いため、女性鍼灸師へのニーズは高いといえます。治療をしてくれるのが同じ女性ですと、生理痛や生理不順、更年期障害などの女性特有の悩みについても比較的気軽に相談できるでしょう。鍼灸治療は、投薬に頼らずに心身のバランスを整える効果があるため、こういった悩みや不安を患者と共有しながら治療を継続していくことが大切になってきます。
また、美容業界は鍼灸治療を積極的に取り入れています。体の内と外から体質改善を促す鍼灸治療は、血行を促進することで肌のターンオーバーを正常な状態にもどし、肌環境の改善や美白効果を高めてくれるのです。また、血流の改善にはアンチエイジングの効果も期待できるため、ニキビや肌荒れに悩む若い世代から、加齢による体の変化に敏感な世代まで、幅広い層の患者からニーズがあります。エステサロンなどの美容業界では、男性鍼灸師よりも女性鍼灸師の需要が高いといえるでしょう。
このように鍼灸治療の需要が高まるなかで、女性専用の鍼灸院が注目を集めています。スタッフは全員女性としているところもめずらしくありません。従来の施術に美容を加えて豊富な施術メニューを提供しており、患者の要望に沿った新しい形の鍼灸院です。女性専用の鍼灸院が全国各地にできていることからも、そのニーズの高まりを感じることができます。

 

☆生涯現役も可能!働く側にもメリットが

女性が一生の仕事として鍼灸師を選ぶのは、需要が高く将来性を感じることができるからでしょう。ただ、その理由ばかりではないようです。女性鍼灸師として働くその他のメリットについて詳しく見ていきましょう。

★鍼灸師は力仕事ではない

まずは、鍼灸師の業務は力仕事ではないため、性別や年齢、体格の違いなどが能力差とならず、鍼灸師の腕で評価してもらえるということがあります。たとえば、マッサージと鍼灸治療を比べてみると、マッサージは体全体を使って行う重労働となるため、男性のほうが向いているようです。鍼と灸を使う鍼灸治療では、持ち上がるのに苦労するような重たい器機などはありません。それほどパワーや体力が必要とされるわけではないのです。大切なのは知識と経験に裏打ちされた手先の技術や感覚となるため、養成学校を卒業して国家試験に合格すれば、誰でも同じスタートラインから出発することができます。

★生涯現役でいられる

鍼灸師には定年がないため、長く働き続けられることもメリットといえるでしょう。鍼灸治療の現場では、患者が年齢を重ねることで、それまでは見られなかった症状があらわれてくることもあります。鍼灸師はそういった患者の体の変化に寄り添い、症状の緩和に努めていかなければなりません。腕のよい鍼灸師は患者と長くつき合って信頼関係を築いていくものです。そういった鍼灸師には年齢による定年はありません。腕さえなまらなければ生涯現役を貫くことが可能となります。手に職をつけて長く働くことができ、加齢による体力の衰えなどもそれほど影響しないという仕事はあまり多くないでしょう。

 

☆給料はどれくらい?気になる待遇について

★鍼灸師の給料はあまり高くない

鍼灸師として働き始めたときに、どのくらいの給料がもらえるのかというのは気になるところでしょう。鍼灸師の待遇面についてですが、鍼灸院に勤める鍼灸師の賃金水準はサラリーマンと比較すると低めといわざるをえません。鍼灸師になるためには、養成学校に通ったうえで、はり師ときゅう師という2種類の国家試験に合格しなければなりません。学費と試験勉強、それから修行期間が必要になる職業であるにもかかわらず、年収がそれほど高くないという現実は、鍼灸師を目指す人たちにとって考えものでしょう。
#関連のある資格を取得して需要を高める
鍼灸師としての資格に加えて、マッサージ指圧師や柔道整復師、スポーツトレーナーなどの資格や技能を身につけることで、幅広い患者を治療できるようになります。鍼灸院で多くの指名客を獲得するくらいの売れっ子鍼灸師となれば給料も上がる可能性が高いですし、自分の鍼灸院を開業するための足がかりとなるかもしれません。また、プロスポーツ選手やチームと専属契約を結んでトレーナーとなれば高額報酬も夢ではないでしょう。

★開業して成功する

鍼灸師として高収入を得たいのであれば、開業することがもっとも一般的な方法といえます。開業して成功すれば分院なども視野に入れられますし、事業規模の拡大は利益を押し上げてくれるでしょう。実際に、開業することで1000万円を超えるような高い年収を得ている鍼灸師もいます。

 

☆女性鍼灸師はどんなところに就職しているの?

鍼灸治療のニーズが高まるなかで、女性鍼灸師の就職先も幅広い選択肢から選ぶことができるようになりました。従来のように一般の鍼灸院や整骨院に就職する道もありますが、エステサロンなどの美容業界、美容も含めた豊富な治療メニューが提供されている女性専用鍼灸院、あるいはスポーツトレーナーとして活躍できる環境を選ぶ人もいるでしょう。さらには、介護業界からの需要も増えてきています。
とくに介護業界ですが、病気を予防する予防治療の分野で鍼灸師が注目されているようです。鍼灸治療を受ける人の多くは、筋肉や筋の痛みがあらわれてから鍼灸院に来院します。患者の痛みをやわらげて、それ以上症状が進行しないようにするのは鍼灸師の仕事なのですが、鍼灸治療には予防治療の効果もあるのです。
過去には痛みがあったが現在はおさまっているといった患者を対象として、生活習慣や食事の改善とともに、鍼灸治療によって心身のバランスを整えていくというのは効果的です。実際に、鍼灸師は介護施設への訪問リハビリテーションなどに呼ばれるようになっています。投薬や手術に頼らずに、鍼灸治療によって病気を予防していくというのは、これからさらに注目される分野でしょう。

 

 

☆キャリアアップに役立つ!鍼灸師が持っておくと便利な資格

鍼灸師のキャリアアップに役立つ資格としては、あん摩マッサージ指圧師と柔道整復師があります。どちらも国家資格となるので、養成学校で授業を受けてから国家試験に合格しなければなりません。これらの資格を取得していると治療できる患者は格段に増えます。鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師の資格があれば、鍼灸マッサージ治療院を開業して幅広い患者を治療できますし、柔道整復師の資格があればスポーツなどのケガにも対応できるようになります。鍼灸治療のみと比べて多くの患者を受け入れることが可能となるため、鍼灸院の経営も安定したものになるでしょう。
また、鍼灸師として5年以上の業務経験がある場合には、ケアマネージャー資格に挑戦するのもひとつの方法です。ケアマネージャーというのは、介護サービスを希望する人と相談したうえで、これからのケアプランを作成する仕事となっており、高齢化社会の日本においては高い需要のある職業となります。このケアマネージャーの受験資格には、はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師などの国家資格に基づく5年以上の業務経験が求められます。鍼灸師のキャリアアップとして介護業界に飛び込んでいく道も考えられるでしょう。

 

☆これからどうなる?業界の将来性

高齢化が進む日本では、リハビリ目的の鍼灸治療に注目が集まっています。関節の痛みや循環器系の障害においても鍼灸治療は効果的です。投薬などに頼らずに、病気にかからないようにする予防治療の分野においても、鍼灸師の需要は高まっているといえるでしょう。これらの理由によって介護施設からの求人も増えています。求められる分野の幅が広がっており、鍼灸師には将来性があります。
介護業界に加えて、美容業界においても鍼灸治療は広く受け入れられています。また、女性専門の鍼灸院が広がりを見せていることから、生理痛、生理不順、更年期障害、不妊症など女性特有の悩みに対応する鍼灸師も今以上に求められるでしょう。鍼灸師業界としても将来性を感じますし、女性鍼灸師にとっての明るい話題が増えています。

 

☆女性の悩みに寄り添える女性鍼灸師は活躍できる!

美容業界や介護業界、スポーツ界など、さまざまな分野で鍼灸師が求められるようになってきました。これからも鍼灸治療の需要は増えていくでしょう。女性鍼灸師についても、女性患者が多く、女性特有の症状も多く見られるため、それらの悩みに寄り添っていくことのできる女性鍼灸師は活躍できます。自分が理想とする鍼灸師のあり方をしっかりとイメージして、ニーズの高まっている鍼灸師を目指しましょう。

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