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根拠はある?ツボ押しの効果とメカニズム

ツボ押しは、体のコリや冷え性など、多くの体の不調を取り除く方法として日本人にもなじみのある治療法です。しかし「なぜツボを刺激すると体の不調が取り除かれるのか」という疑問をお持ちの方はもちろんいるでしょうし、なかには「ツボ押しは本当に科学的な根拠があるの?」と効果を不思議に思う方もいるでしょう。そこでこのページでは、ツボ押しが体にもたらすメカにニズムから、ツボ押しの健康効果などを具体的に解説していきます。

 

☆ツボ押しを受けた経験がある方はどれくらい?

ツボ押しはさまざまな効能があることで知られていますが、実際にはどれくらいの人がツボ押しを経験したことがあるのでしょうか?今回は男女100人にツボ押しの経験があるかどうかアンケートを取ってみました。

 

【質問】
ツボ押しを受けたことがありますか?

【回答結果】
はい:61
いいえ:39

調査地域:全国
調査対象:【年齢】20 – 29 30 – 39 40 – 49
調査期間:2017年06月14日~2017年06月21日
有効回答数:100サンプル

★過半数がツボ押し経験あり!風邪から体のコリなど効果はさまざま

まずは、「はい」と答えた方の声を覗いてみましょう。

・体調を整えたり、持病の改善に役立つかなと思うのでたまにツボ押しを受けます。終わった後、身体が軽くなったのを感じることもあります。(40代/女性/専業主婦(主夫))
・冷え性がひどかったので、血流を改善できればと思って、施術を受けた。(40代/女性/正社員)
・リンパマッサージに行った時に、鼻詰まりを楽にするツボなどを押してもらったことがあります。(30代/女性/専業主婦(主夫))

「はい」と答えた人の中には、辛い体の不調に悩んでいる方が知り合いから紹介されて受けたケースや、温泉で導入されているツボ押しマッサージに気軽にトライしたという声が多く見られました。それでは次に「いいえ」と答えた方の意見を見てみましょう。

・なかなかツボ押しをしている所が見つからず、そしてTVの印象で痛いんじゃないかと思っていけてないです。すごく興味はあるんですが。(30代/女性/正社員)
・やってみたいのですが、近くにツボ押しの施術をしてくれる医院がありません。周りに行った人がいないので、どこに行けばいいのかも分かりません。(40代/女性/パート・アルバイト)

「いいえ」と答えた方は、そもそも体の不調はないという方も多くいましたが、テレビで足ツボマッサージを見て、「痛そう」というイメージを抱いているという方や、家の近くにツボ押しをしているところがないという方が多くいました。

やはりツボ押しは「痛い」というイメージが付き物ですが、実際にツボ押しを受けたことがあるという方は、「ツボ押し後は体の調子がよくなった」という声が多く挙がっています。それでは、なぜツボ押しは痛いのか、またツボ押しにはどのような効果があるのかについて、詳しく見ていきましょう。

 

☆神経の働きを調整する!ツボの効果

そもそもツボは、「気」という東洋医学の考え方に基づくものです。気とは、自然界にあふれているエネルギーのようなもので、人体も臓器から指先まで巡っていると考えられています。気が巡っている道筋のようなものを「経絡(けいらく)」と呼び、神経が集まる経絡のポイントにあるものが「経穴」で、これがツボにあたります。
ツボは押すことで神経、特に自律神経に働きかけます。自律神経は血圧や呼吸、体温などを調節する人体の生命維持に欠かせないもので、自律神経が乱れてしまうと内臓の働きが悪くなってしまい、病気や体調不良につながる可能性があります。ツボを押すと、ツボ近くにある神経が反応し、中枢神経を経由して脳に刺激が伝わります。その後、自律神経をコントロールする視床下部に刺激が届き、臓器や器官の働きが回復するという仕組みになっています。そのためツボを刺激すると、血流促進や各内臓機能の活発化、免疫力に携わる細胞の活性化、ホルモン分泌量のアップといった効果が現れるのです。
ツボ効果が期待できる疾患は実に数多くありますが、デスクワークが多く多忙な現代人が悩まされている、目まいや肩こり、腰痛、頭痛、耳鳴りなどにも効果があるとされています。

 

☆科学的な根拠はある?

現代に伝わるツボは、東洋医学が長い歴史の中で積み上げてきた検証に基づいたもので、その数はWHO(世界保健機構)に認知されている数だけでも全身に361ヶ所あるといわれています。このツボの健康効果についてはこれまで長い間議論されてきましたが、実は科学的な根拠に基づく証明はされていません。
しかし、ツボは気の通り道「経絡」の要所であるだけでなく、各器官や臓器と結びついていることから、内臓・器官と体表部(皮膚)との連絡窓としても機能しているのです。臓器の調子が悪くなると、経絡を伝う気が乱れて、ツボに痛みやコリといった反応が出ることがあります。また反対にツボを刺激することで、気の乱れを正常化させ、さらに血行促進や自律神経などを整えることで臓器の働きを正常化させることもできるのです。
普段私たちが見ることのできるのは体表面部分だけですが、このようにコリや痛みといったツボが発信するサインによって、目に見えない経絡や内臓の不調に気づくこともできるのです。ツボの科学的根拠は解明しきれてはいませんが、ツボは自分の体と向き合う窓口として古くから親しまれてきました。自分の症状に合ったツボを把握して、体の不調を改善させたいですね。

 

☆正しいツボの押し方とは

ツボは正しい位置を正しく押さなければ効果がなくなってしまうおそれもありますし、場合によっては避けなければならない時間帯もあります。ここではその具体的な方法と理由についてご説明します。
まずは正しいツボの刺激方法についてお話しましょう。ツボを押す回数は一日に3回ほどを目安にします。押し方は、ツボに力がしっかり伝わるよう垂直にゆっくりと、そして痛気持ちいいくらいの程よい強さで押すようにしましょう。また合わせて呼吸法も意識すると、よりリラックスすることができるので相乗効果が期待できます。呼吸の仕方は、ツボを押すときに息を吐き、つぼから話すときは息を吸うようにします。そのほかツボを押す際は、指の腹や専用のツボ押しグッズを使うのはもちろん、つまようじを使った刺激もおすすめです。つまようじでツボを押すときは、複数本のつまようじを輪ゴムで束ね、尖っていない柄の部分で軽くトントンと叩くようにします。つまようじがないときは、ペンなどで代用してもいいですね。
気軽に日常生活に取り入れやすいツボ押しですが、妊娠中や飲酒時、食後などはツボ押しを避けましょう。ツボの中にはつわりを軽減させるものもありますが、一方で子宮を収縮させるなど、お腹の中の赤ちゃんにとって悪影響なものもあります。また、飲酒時や入浴時は、ツボを刺激することで血流がよくなるので、アルコールがまわりやすくなってしまいますし、食後すぐのツボ刺激は胃の消化が遅くなってしまいます。

 

☆ツボ押しの効果を正しく理解

ツボは古くから日本人が気軽に取り組めるケアとして浸透しているだけに、自己流で行っているという人も少なくないでしょう。そのため、ツボ押しの効果やメカニズム、そして正しい押し方や避けたい時間帯などは、一般の方が考えることは少なかったかもしれません。しかし、こうして正しいツボの知識を知っていくことで、改めて自分の体と向き合うきっかけにもなります。体の窓口であるツボと対話して、健康的な生活を送ってはいかがでしょうか。

詳しくは、「10分で理解!奥深いツボの効果を徹底説明」をご参照ください。

東洋医学についての詳細はこちら

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