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免疫力を高めるツボは?免疫力アップのための生活習慣も解説

免疫力を高めるツボは?免疫力アップのための生活習慣も解説

感染症をはじめとしたさまざまな体調不良から身を守るための機能として、人間には免疫力が備わっています。しかし、生活習慣の乱れやストレス、運動不足、加齢などで免疫力が低下することは避けにくいものです。予防医学である東洋医学では、身体のバランスを整えることで、病気になるリスクを減らすことを重視しています。この記事では東洋医学で免疫力を高めると考えられているツボとその押し方、および免疫力を改善する生活習慣についてお伝えします。

1.免疫力とは?

免疫力とは、体内に侵入した病原体などの異物から身体を守るための仕組みです。ウイルスや細菌、カビといった病原体が体内に入って増殖すると、病気に感染して発症します。この発症を阻害するのが免疫力です。免疫力が備わっていれば、病原体の増殖を抑えたり、感染細胞を死滅させたりすることができます。

免疫システムとして働いているのが、白血球の一種であるマクロファージ、リンパ球、ナチュラルキラー細胞(NK細胞)などです。免疫には、生まれながら備わっている「自然免疫」と、一度感染した病原体を記憶して抵抗力を得る「獲得免疫」の2種類があります。

1-1.免疫力が下がるとどうなる?

免疫力が下がると、防御システムがうまく機能しなくなり、身体面や美容面にさまざまな影響を及ぼします。下記は、免疫力の低下により引き起こされる体調不調やリスクです。

  • 風邪などの感染症にかかりやすい
  • 病気が重症化しやすい、治りにくい
  • 肌トラブルが起こる(かゆみ、吹き出物、乾燥など)
  • 環境の変化による不調が出やすくなる(季節、天気、場所、食べ物など)

免疫力が低下する原因として、加齢・ストレス・運動不足・睡眠不足・冷え・食生活の乱れなどが挙げられます。免疫力は20歳をすぎると徐々に低下していくため、年齢とともに病気にかかりやすくなったと感じる人は多いでしょう。

免疫力が下がっているサインには、「疲れやすい」「便秘や下痢が続いている」「口の中が乾く」などがあります。このような症状が見られた場合は、免疫アップに取り組みましょう。

2.免疫力を高めるツボ4選

ツボ(経穴)とは、東洋医学の重要な考え方の1つであり、身体のエネルギー(気血)が通る経絡上にある反応点のことです。それぞれのツボには対応する器官や内臓があり、ツボを刺激することで対応部位の症状を緩和したり、免疫力を向上したりといった効果が期待できます。

ツボを押す際のポイントは、「リラックスすること」と「押すときは息を吐き、力を抜くときに息を吸う」ことです。最近身体の不調を感じる人は、ぜひツボ押しのセルフケアに取り組んでみましょう。

ここでは、免疫力を高めると考えられているツボについて解説します。

2-1.中府

「中府(ちゅうふ)」は、肺に働きかけるとされるツボです。風邪を引きやすい人、呼吸が浅い人は、肺の機能が衰えている可能性があります。

・中府の場所

鎖骨の外端下のくぼみから、親指1本分下にあります。

・中府の刺激方法

ツボと反対側の指を使い、左右それぞれ1分間ずつ、「気持ちいい」と感じる程度に押します。

・中府を刺激するヨガ(鷲のポーズ)

  1. 直立し、腰を落として膝を曲げ、左足を右足の上に組みます。
  2. 両腕を前に伸ばし、左肘を右肘に乗せて、両手をねじりながら手のひらを合わせます。
  3. 肘を肩の高さまで上げて、3~5呼吸キープしてください。反対側も同様に行いましょう。

2-2.関元

「関元(かんげん)」は、腎に働きかけて元気を養うとされるツボです。東洋医学で生命活動のエネルギーが集まるといわれる「下丹田」の場所にあります。虚弱体質な人や、冷え性の人、頻尿に悩む人などにおすすめです。月経不順、生理痛が酷いなど、婦人科系の悩みにもよく用いられます。

・関元の場所

おへそから、指4本分下にあります。

・関元の刺激方法

関元は押すよりも、じんわりと圧がかかる程度に刺激しましょう。1分間マッサージしたり、蒸しタオルやカイロで温めたりすると効果的です。

2-3.足三里

「足三里(あしさんり)」は、胃腸を刺激するツボです。胃腸の機能を高め、動きをよくすることで、腹痛、下痢、嘔吐、夏バテ予防などに効果があるとされています。

・足三里の場所

膝の皿の下のくぼみから、指4本分下のスネのすぐ外側にあります。くぼみに人差し指を置いた場合、おおよそ小指の先が足三里です。

・足三里の刺激方法

「5秒間押して、2~3秒離す」を数回繰り返します。お灸を据えるほか、左右1分ずつマッサージするのもよいでしょう。

2-4.合谷

「合谷(ごうこく)」は、さまざまな症状に用いられ、万病に効くツボとして知られています。頭痛、肩こり、目の疲れなどに効果的で、ストレスやデスクワークの疲れに悩まされている人におすすめです。

・合谷の場所

手の甲を上にし、親指と人差し指の骨が交わる場所から、指先側に向かって少し前にあるくぼみの部分です。

・合谷の刺激方法

反対側の親指の腹を当て、「痛気持ちいい」と感じる程度の強さで押します。親指と人差し指で挟んで押してもよいでしょう。

3.免疫力を高める方法は?

免疫力が低下していると感じる場合は、ツボ押しと合わせて、生活習慣を見直すことも大切です。生活習慣の改善は、免疫力アップだけでなく、運動不足解消やストレス軽減などのメリットもあります。ぜひよい習慣を取り入れて、健康的な身体作りに取り組んでください。

ここでは、日常生活の中で免疫力を高める方法について紹介します。

3-1.バランスの取れた食生活をする

栄養バランスのよい食事を摂り、腸内環境を整えることで免疫力がアップします。腸内には身体全体の免疫細胞の60~70%が存在しており、免疫細胞の働きを支えているのが腸内細菌(腸内フローラ)です。

免疫力アップのためには、善玉菌のエサとなる食品(プレバイオティクス)と、腸内フローラの状態を整える食品(プロバイオティクス)の両方を摂取する必要があります。海藻やごぼう、ブロッコリーなどの水溶性食物繊維や、乳酸菌やビフィズス菌を含むヨーグルト、納豆、味噌などを取り入れましょう。ビタミン、ミネラル、タンパク質を豊富に含む食事を意識することが大切です。

3-2.よく眠る

質のよい睡眠が取れている人ほど、風邪にかかりにくく、免疫力が高いと言われています。睡眠には、ストレスを緩和して自律神経を整える作用や、日中に活動した免疫細胞を修復する役目があります。

良質な睡眠をとるためには、睡眠のリズムを整えることが大切です。朝起きたら太陽の光を浴びて、体内時計をリセットしましょう。起床と就寝時刻は一定に保ち、休日も平日の睡眠リズムを守ります。休日に寝だめをすると、体内時計が狂って疲労や眠気を感じやすくなるので注意しましょう。

3-3.体温を上げる

免疫細胞は36.5℃から活動し、37.0~37.5℃で免疫力が活発化します。体温が36.0℃以下では血行不良となり、免疫細胞が正常に働くことができません。免疫力を高めるためには、36.5~37.1℃の平熱をめざしましょう。下記に、体温を上げるコツを紹介します。

・半身浴をする

38~40℃のお湯に、20~30分入浴しましょう。就寝の2~3時間前に入浴すると、寝つきがよくなり、睡眠の質を上げる効果も期待できます。

・運動する

運動をすると筋肉量が維持できるので、低体温を防げます。1日30分のウォーキングがおすすめです。難しい場合は、室内でできるストレッチやスクワットから挑戦しましょう。

4.免疫力アップには鍼灸の施術も効果的!

免疫力をアップするための方法として、鍼灸の施術もおすすめです。鍼灸によって筋肉が緩み血の流れがよくなると、体温も上昇して血液中の免疫細胞の働きが活発になるとされています。全身の血液循環が改善されれば、腸への血流もよくなり、免疫向上に欠かせない腸内環境が整えられるでしょう。

また、鍼灸の刺激が、免疫システムの組織や器官に働きかけ、免疫細胞を活性化するとも言われています。自律神経を整えるのでストレスや不眠といった悩みも軽減でき、ひいては免疫力アップにつながると期待できます。

予防医学でもある鍼灸は、免疫力向上だけに限らず、日々の健康管理にも大いに役立つでしょう。

まとめ

免疫力とは、体内に侵入した病原体などの異物から身体を守るための仕組みです。免疫力が下がると、感染症にかかりやすくなるだけでなく、肌トラブルやがん、体調不良といったリスクを抱えてしまいます。

免疫力を高めるとされるツボとして、代表的なものには「中府」「関元」「足三里」「合谷」が存在します。ツボを刺激することで免疫力の向上が期待できるため、最近身体の不調を感じる人は、ツボ押しでセルフケアしてみましょう。

また、免疫力の低下を感じている場合、ツボ押しと合わせて、生活習慣を見直すことも大切です。免疫力アップに効果的な習慣には、バランスの取れた食生活、睡眠の乱れの改善、体温の上昇が挙げられます。

免疫力アップのために鍼灸の施術を受けてみるのもよいでしょう。鍼灸によって血流が良くなると、体温の上昇や腸への血流の改善が見込めます。また、自律神経を整えることでストレスや不眠を軽減でき、免疫力アップにつながると考えられています。

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